2020年 The WILD FARM 10周年

その前に突然、最大の試練がやってきた。

毎年やってくる台風。その度に幾度となくピンチは訪れ、そして、その度にそれを乗り越えてきた。強風で畑の柵は薙ぎ倒され、大雨で畑は抉られた。農園の周りの木々が倒れたこともあった。それでも、神奈川は他のエリアと比べれば比較的に被害は少ない方だし、これも経験だと思って、その都度、受けた被害は自力で直してきた。

 

だが、2019年、農園は過去最大規模の壊滅的と言える被害が起きてしまった。「土砂崩れ」である。

 

山で、段々畑なので、いつかそんな日が来るかもしれない。なんとなく覚悟はしていた。しかし、嵐の過ぎた早朝に居ても立っても居られず見に行って目撃したものはあまりにも迫力のある自然の大きな力が動いた後だった。

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塞がれてしまった農道の土砂を乗り越えて先に進もうとしても、まだ雨水をたくさん含んでいて泥々で、足がとられて動けなかった。すべってバランスを崩し、手をついた。こんなにも泥々なのかと驚いた。

 

苛立ちと、悲しさと、複雑な気持ちであったが、すぐさま冷静にどうすべきかを考えた。まずは、現状の把握。そして、取り急ぎの復旧と、時間をかけて直していく部分を見分けた。幸い、地域の他の農家の人たちが使う農道にかかった土砂は少なく、それは自治体が動いてくださって、その日の午前には撤去することができた。

 

だが自分の土地はどうする。テレビやネットを観れば各地で様々な被害が出ているし、自分のところなどまだましとも言える状況。しかし、大きな被害、生活道路など重要な場所と比べればそうも思うけど、自分のところの被害だって直すとなればとても大変で、莫大なお金もしくは人手・時間がかかる。すぐにでも助けを求めたいが、他の状況を考えれば躊躇して言うことはできない。何が正しい動きなのか、しばらく考えることにした。

 

毎年必ずある自然災害。そしてそれは確実に年々大きくなっている。直したところでまた被害を受ければ崩れるであろうことは推測できる。他にも同様に、もしくはそれ以上に崩れるところもあるかもしれない。崩れた土をただ元に戻すだけではなく、何らかの補強が必要なのは明らかではあるが、どう対策すべきか。

 

このような事態に国は県は町はそれぞれ何か用意をしているのだろうか。町役場には相談をしたものの明確な答えはなく、はぐらかされているような印象を受けた。